ミスト

(2007年アメリカ映画)

 

 

 

 

 

(カ〜ン!←ゴングの音)

 

土野雨郎「怖いだす・・・怖いだす・・・こんなことが、、、こんなことがーーーーーーーー!?」
映画おたく「なにまた大げさに泣き真似してるのよ?オサーン??」
土野「うう・・・いきなり霧に包まれた町・・・スーパーマーケットのに閉じ込められた人々、そしてその人々を襲う、巨大蜂、巨大触手、巨大コウモリ・・・なぜこんな恐ろしいことがーーーーー!?」
映画おたく「おおげさにおどけるのもいいかげんにしろよ。」
土野「は・・・はいいッ!しかしわだすはこの映画の数々の怪物軍団の襲来に心底怖いと感じただすよ。」
映画おたく「土野・・・おまえさあ、この映画の主眼は怪物じゃないのよ。」
土野「ううッ!?するとなんだす!?」
映画おたく「映画中盤を思い出してみ。変な中年のオバサンがいきなり出てきて「神に生贄を!!」とか叫びだすシーンがあるだろ。
土野「う・・・そこらへんは眠かった記憶があるだけだす。」
映画おたく「馬鹿野郎!・・・密閉された閉塞空間。狂気に走り出す人間たち。この映画の真のテーマは人間の理性のもろさをあからさまに描き出す点にあるんだよ。わかる?オサーン??」
土野「しかしわだすは怪物のほうが怖かったと思うだすが・・・」
おたく「だからおまえは馬鹿だってゆうの。この世で一番怖いのは人間だよ・・・。怪物はこの映画ではテーマを引き出すための小道具に過ぎないの。わかる?オサーン。」
黒猫館館長「残念だがまた映画おたくの諸君に反論しなくてはならないらしいな。(苦笑)」
おたく「館長さん・・・いきなり出てきてまた俺らに絡むわけ?止めてくれよ。もう・・・ケッ!」
黒猫館館長「まあ、そう嫌わんでくれ。」
おたく「で、なにが言いたいの?館長さんよ。」
館長「わたしの考えを述べれば、土野君の見方に非常に近いと言わざるを得ないな。」
おたく「じゃあ、この「ミスト」は土野の言うような怪物ホラーに過ぎないというわけ?」
館長「「過ぎない」という言い方にわたしは非常に疑問がある。怪物ホラーはそれはそれで立派なジャンルだと思うぞ。」
おたく「わかった・・・わかったよ。偉大なる館長さま。じゃあ聴くけど中盤の人間同士の争いはなぜこの映画に必要だったと思う?」
館長「恐怖によって崩壊してゆく人間の理性。これは怪物たちの恐ろしさを引き出すスパイスになっていると見てよかろう。」
おたく「館長さん・・・(ニヤリ)ちょっと理屈が弱いな。」
館長「そうおもうか?」
土野「そう思わないだす!!館長さま!!」
おたく「おまえはひっこんでろ!つーの。」
館長「じゃあ、例を出そう。おたくの諸君、恐怖小説の大家、H・P・ラブクラフトの信条を知っているかな?」
おたく「ああ、あの「宇宙的恐怖(コズミックホラー)」とか言うやつ?」
館長「そのとおり。無限の宇宙に比べればちっぽけな人間などただ震えているしかないということだ。つまりこの映画でもひたすら未知の怪物に脅かされるちっぽけな人間の恐怖がテーマになっていると見てよかろう。」
おたく「俺らはそう思わんな。この世で一番怖いのは人間だよ。」
館長「ふう・・・また意見が割れたな。」
おたく「ところで館長さんよ。この映画の原作はラブクラフトじゃなくてキングなんだが。」
館長「キングもアメリカ恐怖小説の王道という点でラブクラフトの信条を大いに受け継いでいると思うが。」
おたく「勝ったな。館長さん、今日のアンタの理屈は弱すぎるな。俺らなりに結論すれば「ミスト」は怪物をスパイスとした人間の恐怖を描いた映画だ。」
館長「いや、「ミスト」は人間をスパイスとした怪物の恐怖を描いた映画だ。」

 

 

(カンカンカンカン〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!) ←試合終了。

 

 

 

◆映画の評価◆

土野雨郎 80点
映画おたく 90点
黒猫館館長 75点

 

 

 

◆各討論者の得点◆ 

 

土野雨郎 45点
映画おたく 85点
黒猫館館長 65点

 

 

 

 

 

 (黒猫館&黒猫館館長)