超神ネイガー降臨

 

(講演日2007年3月4日)

 

 本日の夕方、偶然通りがかった近所の書店で『超神ネイガー』のイラスト・サイン本を発見する。なんでも『天地無用!』の漫画家・奥田ひとし氏がサイン会を行い、そのサイン本の残りが書店に残っていたらしい。。富士見書房刊。880円。さっそく1000円札を握り締めてわたしはレジに向かう。
 これは秋田県人ならば絶対買わなければならない本であると思いながら。



 この漫画の内容は、主人公・「アキタ・ケン」が豪石(ごうしゃく・秋田弁で叱るの意味、あるいは神から「剛(力)」を「借りる」という意味もあるという。)の掛け声と共にネイガーに変身して秋田人から「やる気」を奪いとろうとする悪の組織「ダジャク(惰弱)組合」に立ち向かうというものである。

 要するに、これは昨今流行の「ローカルヒーロー」であるわけだが、お役所が作った「上からのマスコット」ではないところ が素晴らしい。
 『超神ネイガー』は秋田県・象潟町に在住の格闘技マニアである海老名保・高橋大が手作りで作り上げたいわば「庶民から発祥した」ヒーローである。
 この「超神ネイガー」が全国紙で漫画連載され、「アニソンの帝王」水木一郎が主題歌を熱唱し、CMにも出演、さらに昨今では台湾でも人気沸騰というのだから只事ではない。

 まさしくわたしはこのネイガー現象に「幸うすき国に住む人・秋田人の底力」を見る気がする。


 自殺率ナンバー1であるとか日照時間が日本で一番短いとかなにも良いところがないような秋田である(事実 、秋田で生活するということは、そもそも仕事がないことから始まって並大抵のことではないのだ。また東京在住の方々には信じられない話であるのかもしれないが、東北ではアルバイトの時給が600円前後という職場はザラである。)が、この「超神ネイガー」の出現をステップとして、より素晴らしい県へと躍進してほしいとわたしは心から願う。
 
 また経済格差・地域格差が進み、経済・政治・文化、とあらゆる面で東京への一極集中化が進みゆく現在、秋田人のみならず、すべての地方在住人に超神ネイガーの活躍はまさしく「勇気」を与えることだろう。

 「地方の時代」それが本当に降臨するのはまさしくこの21世紀であるのかもしれぬ。

 最後に漫画版『超神ネイガー』のセリフを引用して本日の講演を締めさせていただく。

 「絶望的なお土地柄にもめげずに頑張っている人たちがいるって聞いて、どんな熱い人たちだろうと思って・・・わたしはそういう人たちを取材したいんス・・・」

 超神ネイガー、ヒロイン、カワサキ・ユキ、言。

 

↑奥田ひとし氏のサイン・イラスト(アキタ・ケンとカワサキ・ユキ。)

 

(黒猫館&黒猫館館長)