第一ルーム
議題
「地下六階の今後」

 

 

 

「黒猫館館長」

影姫よ。
どうだ?
最近の体調は?


「影姫」

はっきり申しましてすぐれません。
夜は睡眠薬を飲んでも眠れず、
頭痛もひどいです。


「黒猫館館長」

持病の不定愁訴か?


「影姫」

そうかも知れません。


「黒猫館館長」

無理はするな。
主治医に処方してもらっている漢方薬は飲んでいつのか?


「影姫」

飲んでおります。
しかしあまり効いた気がしません。


「黒猫館館長」

・・・・・
ところで。
最近、わたしの部屋である館長室に連絡が来ている。
執事の浮世君が持ってきてくれたものだ。

「地下六階」。
つまり「私立男泣島矯正院」の運営がまったく止まっているそうではないか?


「影姫」

はっきり申しまして、地下に降りる気力というものが湧いてこないのです。
それに「SM」などというものを楽しむ色気というか、そういうものがわたしの中で減っている気がします。


「黒猫館館長」

「SM」のコンテンツ、つまり「アダルトコンテンツ」を造ろうと言い出したのはおまえではないか?
それはあまりに無責任な言い方だぞ。
あの「地下六階」のせいでこの黒猫館全体が回りからどれだけ偏見の眼で見られてきたと思っているのだ?


「影姫」

厳しいお言葉でございますね。


「黒猫館館長」

馬鹿者ッ!!
甘えるのもたいがいにしろ。
そしていますぐ地下六階に降りて、まず掲示板へレスをつけろッ!!


「影姫」

その気力があれば・・・
苦労はしませんわ。
わたし病気かもしれませんね。
もう黒猫館から出てゆきたいわ。


「黒猫館館長」

いい加減にしろ。
これ以上戯事を垂れるならば、おまえを日本に強制送還し、地下六階も完全に廃止する。
それでも良いというのか?


「影姫」

わたしはあの場所にいるマゾヒスト男性たちが好きです。
廃止は止めてくださいませ。


「黒猫館館長」

それでは具体的にどうするのだ。
今後の方策は?


「影姫」

わたしの補佐をつけてくだされば・・・


「黒猫館館長」

補佐だと?
ガードノイドK氏がいるではないか?


「影姫」

Kは恐ろしい男です。
なにを考えているかわかりませんわ。
あのような男よりわたしより若い女性でも補佐につけてくだされば・・・


「黒猫館館長」

若い女性で「SM」の素養がある者などそうはいないぞ。


「影姫」

お願いです。
わたしの補佐を。
そうすれば・・・
あるいは地下六階の維持を。。。


「黒猫館館長」

影姫。
おまえ、寂しいのではないか?


「影姫」

正直に言えばそうです。
トミエさんはわたしとは性格が違いすぎます。
かと言って男性では気軽な話が出来ません。


「黒猫館館長」

おまえは確かに昔から友人の少ない女であったことは知っている。
もしおまえより若い女性をおまえの補佐として黒猫館に召喚しても、
おまえ自身が心を開かなくては打ち解けた話はできぬぞ。


「影姫」

わかっております。
今後はなるべく心をオープンにして相手と交わろうと・・・


「黒猫館館長」

では承知した。
近日中に「SM」の素養のある若い女性を黒猫館におまえの補佐として召喚する。
それで地下六階の運営を抜かりなくやれるな?


「影姫」

はい。。。
そういうことになります。


「黒猫館館長」

影姫よ。
元気を出せ。
もともとこのウェブ・サイト版黒猫館はわたしとおまえとで創立したものではないか?
おまえの元気がでないことは黒猫館の元気が出ないことに繋がる。


「影姫」

解かっております。
創立当初の志をわたしとて忘れたわけではございません。


「黒猫館館長」

よろしい。
では近日中に地下六階の運営を再開しろ。

それでは今日の会議は終わりだ。


「影姫」

疲れましたわ。
貴方。


「黒猫館館長」

今、浮世君にハーブティを持ってくるように頼んだ。
それを飲んで元気を取り戻せ。


「影姫」

はい。
わかりました。

 

(会議終了・2005年6月13日)