第二ルーム
議題
「闇の帝王の怒り」

 

 

 

 

「むくろ侯爵」

エエエィ!!!
いつまでこんなかび臭い洋館に隠れてネズミのように蠢いていろとゆうのだ!?

やってしまえばよいのだ!!
やってしまえばな!!

「闇の帝王」とやらが持つという「惑星破壊装置」。
それ一発をこの惑星にぶちこめば、、、
ことは足りるッ!!
われらダークロンの目的もそれで達成されるのではないのか!?


「闇姫」

むくろ侯爵。
声がおおきすぎます。
おだまりなさい。


「むくろ侯爵」

や・・・闇姫ッ!!
貴様〜〜〜ツ!!



・・・・・・・・・
「監察官Q」

さすがは闇の十二使徒のなかで一番若いむくろ侯爵とやら。
なかなか血気さかんなようだな。
気に入った。

やはり若者はそうでなくてはならない。
ただし。
「自己紹介」の部屋に書かれているとおり頭の中身はやや単純な構造でできているようだが。


「むくろ侯爵」

貴様!!
なんだとォ〜〜〜!?
今すぐこの部屋で決着をつけるか!?
Q!!!


「監察官Q」

やめておけ。
わたしは子供は相手にしない主義でな。
しかし子供だとてもし噛み付いてきたら。
・・・・


「闇姫」

むくろ侯爵。
貴方が引きなさい。


「むくろ侯爵」

う、、、うぐお〜〜〜!!
(バアン)
(テーブルを叩きつけるむくろ侯爵。)


「監察官Q」

さて闇姫。
このような猛犬をてなずけるのもこの惑星の最高指揮官であるおまえの役目だ。
わかるな。


「闇姫」

「猛犬」という言い方はひどくありませんか?
監察官Q?
むくろ侯爵は貴方と同階級の「闇の十二使徒」のひとりなのですよ。


「監察官Q」


闇姫よ。
おまえもわたしの本当の役職がわかっていないらしいな。

わたしはダークロン秘密警察第一室長。
いわば闇の帝王直属の別動部隊の長。

こんな辺境の惑星にいる新参者の闇の十二使徒とは「格」が違う。
おまえらの「処刑」。
または「階級の剥奪」。
そのような権現までわたしは手中にしている。


「むくろ侯爵」

・・・・・
いきなりやってきたと思ったらわれら二人に対してあまりに無礼なその態度!
Q!!
思いあがるなッツ!!

この帝王の犬めが・・・・。


「監察官Q」

おっと。
その発言は闇の帝王への冒涜へと繋がる。
ゆくか?

(ヒュイン)

「惨苦の剣」が見えない速さで宙を飛ぶ。
そしてむくろ侯爵の左耳上部が切断される。


「むくろ侯爵」

ぎいい・・・
ぐげえーーーーーーーーーー!!!


「闇姫」

むくろ侯爵ッ!!

監察官Q!
やりすぎです!!


「監察官Q」

こんな海坊主の相手をするのもバカバカしい。

さて闇姫。
この惑星の陣頭指揮官はあくまでおまえだ。
もしこの惑星の侵略に失敗したら・・・

おまえの首が飛ぶ。
「比喩」ではなしにな。


「闇姫」

監察官Q。
そんなことは百も承知です。
それよりわたしたちのやり方に口出しするのは止めていただきませんか?
監察官Q。
貴方の持つ権現は十分に承知しております。
しかし貴方のやり方ではこの惑星における侵略作業はかえって遅れますよ。
それでもいいのですか?


「監察官Q」

闇姫。
言い訳だな。
ふふ。
わたしがこの惑星に来たのは遅々としてすすまぬ侵略作業を促進させるため。

はっきり言おう。

「闇の帝王」はおまえたちふたりに対して苛立っておられる。


「闇姫・むくろ侯爵」

・・・・・・・


「監察官Q」


「闇の帝王」の恐ろしさは闇姫、おまえならくらやみ男爵から十分に聞いている筈。
これ以上の停滞は許されない。
わかるな。


「闇姫」

・・・・・
御意。


「むくろ侯爵」

くく・・・クッ!!


「監察官Q」

では今夜の会議はこれで終わりだ。
黒猫館住人たちが眼を覚ましたらやっかいだ。
それでは閉会する。


(ゆっくり席を立つ、監察官Q、そして闇姫。
しかしむくろ侯爵だけはなぜか切断された左耳を押さえながらいつまでも会議室に座り込んでいた。)