黒猫館館長の買書日記

この部屋では館長の古書売買の記録が収められています。

2002年2月14日(金) 

 長い長い停滞期を超えてようやく復興し始めたコレクション。吉増剛造の『黄金詩篇』と『頭脳の塔』はひさびさに読み応えのある骨太な詩集なので満足。装丁も実に堂々としていて見栄えがする。軟弱な女流詩人の詩集の詩集にはもうウンザリ。といっても女流詩人すべてが軟弱といっているのではありません。悪しからず。木島始『蕾の漂流』は詩集?それとも小説?よくわからない。
 さていよいよあと2週間で東京旅行、素晴らしい本たちを激安で捕獲したいものだ。

2002年12月20日(金 

 ようやく詩集関係がまた集まりだした。井坂洋子『朝礼』(紫陽社)と伊藤比呂美『姫』(紫陽社)は昔から探していたのでうれしい収穫だ。しかしどちらも内容的にはピンとこない。ウ〜〜〜ム。H氏賞詩集・白石かずこ『聖なる淫者の季節』も同様。よくわからない。どうしたものか?
 歌集では大塚寅彦『刺青天使』(短歌研究社)が一番の収穫か?句集は中村苑子『水妖詞館』(俳句評論社)をゲット。しかしあまりピンとこない。今後、句集に深く突っ込んでゆくのもどうかと思う。悩む。ウムム。

2002年11月3日(日)

 ねじめ正一『下駄履き寸劇』(魯人出版会)買うもあまりピンとこない。やはりねじめは『ふ』で終わっているひとなのだろうか?宗谷真爾『メメチャブレの足跡』(野田書房)(限100)もゲット。これは軽く読めるエッセイ集なので良いと思う。そういえば宗谷本がずいぶんたまってきた。
 サン・テグジュべり『ジュエリーブック 星の王子さま』(岩波書店)入手。はっきりいってチャチな装丁。これで「限定版」をなのるのは止めてほしい。しかし『星の王子さま』の保存版としてはよい本だろう。
 年末古本商戦が迫ってきた。一冊でも多く素晴らしい善本をゲットしたいものだ。

2002年10月4日(金)

 ようやくH氏賞詩集、沢村光博『火の分析』(思潮社)とピポー叢書、岡本潤『橋』(国文社)入手。『火の分析』は難解だがじっくり読み込めば面白さがつかめると思う。『橋』は一冊まるごと『橋』をモチーフにした詩集。こういう詩集はありそうでなかなかないものだ。どちらもいい本と思うので満足。あと河野裕子第三詩集『桜森』(蒼土社)もゲット。なんとも良い詠みぶりで好感がもてる。しかし河野裕子って意外とクライ人なのね・・・と妙な感想をいだく。
 総じて停滞期を脱しつつあることは確かだ。これから冬にむけてコレクションの充実を計りたいものだ。

2002年9月23日(月)

 創土社『暗黒の秘儀』入金。これで創土社本はほぼ全部揃ったとおもったがまだ一冊残っていた。やっかいなのが。また伊藤敬二郎『小説に現れた責めの代表名作選』(粋古堂)なる本を買う。戦前猟奇に比べて昭和20年代のカストリ系本はなんとも殺伐としてやりきれない。今後はこの領域には深く踏みこま込まないことにした。キャンベル『ジャーゲン』も入手。これは面白そうな本だ。山口瞳『江分利満氏の優雅な生活』(文藝春秋)も入手。しかしそれにしても最近は詩集がさっぱりだ。これでは私のメイン・コレクションがなにか解らなくなってしまう。焦る。

2002年9月3日(火)

 今回の東京旅行では詩集があまりよくなかった。確かに、高橋睦郎『稽古・飲食』(善財窟)や寺門仁『遊女歌十一』(湯川書房)といった本が手に入ったがそれほどパッとした「切れ味」が感じられないのだ。
 澁澤や生田の本も数冊手に入ったがこれもパッとしない。
 今後の蒐集は雑魚本に対する入手欲を抑えていかにずば抜けた本を捕獲するか・・・?ここら辺がキイになりそうだ。

2002年8月17日(土) 

 東京旅行に備えてじっと我慢の日々・・・のはずが藤本蒼『怪物伝説』(白夜書房)だの小田久郎『十枚の地図』(書肆ユリイカ)だのといった本をチマチマと買う。やばい。どんどんお金が減る。もっと我慢しなさい。自分よ。『ブラックウッド傑作集』(創土社)は函が壊れているというのでキャンセル。しかし東京でどんな本と邂逅するのだろうか?楽しみだ。

2002年8月3日(土)

 ようやくお金が入り古本活動が再開した。まず亡月王『蛇蠍』(幻想文学出版局)を新刊書店に取りに行った。5000円は痛いが機を逸するとまた買えなくなる可能性があるから一気に買ったのだ。しかし「2ヶ月」も取りおいてもらったのだから、書店のおばちゃんにごめんなさいをいいなさい。自分よ。
 『恋字苑』と『ナルシスの祭壇』はまだ在庫に余裕があるらしいので、状況をみる。
 8月の東京旅行では高い本を買うかもしれないので今は散財は控える。
 しかし「イヴ叢書」(ギャラリー・イヴ)在庫切れの店が多いことに驚く。これだから田舎はいやだ。情報において都市部の人間に遅れをとってしまうのだ。悔しいが仕方がない。もっと眼を光らせておくべきだ。

2002年7月10日(水)

 お金が無いので書くこともない・・・とこれでは日記にならないだろう。私よ。『蛇蠍』はまだ取りに行ってないし、山本タカト『ナルシスの祭壇』(エディシオン・トレヴィル)と笠井あゆみ『恋字苑』(美術出版社)という注目の新刊も現れた。うかうかしている場合ではない。
 この停滞ムードは8月の東京古本旅行で打破しようと思っているのだが、うまくいくだろうか?

2002年6月27日(木)

 またまた金欠・・・参った。もうそろそろ新刊書店で注文した、亡月王『蛇蠍』(幻想文学出版局)をとりに行かなくてはまずいだろう。しかし4800円とは・・・痛い・・・。あと澁澤龍彦『悪魔の中世』(桃源社)の前金も入れた。あれ?澁澤本は止めたんじゃなかったの?と問う読者よ・・・私の気が変わっただけだ。(ニヤリ)といっても私のメイン・コレクションである「詩集」が入手できなくてはダメだ。といっても詩集は最近いい物がでてこないからなあ〜〜(泣)

2002年6月22日(木) 

 『ねじけジャケット』到着。帯が少し切れている・・・まあ我慢できる範囲内だから我慢する。永塚幸司第三詩集『梁塵』(紫陽社)も到着。まだよく読んでいないのでわからないが、H氏賞受賞詩集だからまあ間違いはないだろう。明日、サトウハチロー『おかあさん』限定版を注文する。限定版といっても部数が明記されていないらしい。こういうものも「限定版」と呼べるのだろうか?といってもあまり見ない本だから良しとしよう。やはり最近の収穫はザッヘル・マゾッホ『性の受難者』(小西書店)か?紅い装丁がなんともモダンだ。総じてなんとなく停滞している感じがする。機を伺うべし。

2002年6月10日(月)

 天野喜孝『少女季』届く。なんとなく大味な感じの絵本だが版型がやたら大きいからよしとしよう。しかし内容だけだったらアニメージュ文庫『天使のたまご』のほうが濃いと思う。それはさておき某古書目録で詩集の激安一斉放出があった。私も7冊ほど注文したが、当選するのは難しいだろう。それほど良い詩集が激安で出ていたからだ。まあ一冊でも当たれば幸せと思わなくてはならない。創土社『ねじけジャケット』注文。ここら辺はあくまで堅実に集めるべし。

2002年6月1日(土) 

 ついに金欠・・・あと2週間どうしたらいいのどろうか?本当に1冊も買えない・・・『影の神』はもう契約済み。あとは送ってくるのを待つだけ。『ビーストン傑作集』(創土社)超安で購入。あと創土社本はついに『暗黒の秘儀』一冊のみか・・・?といってもこれは難しくはないだろう。持っている古書店知っているし。『政治少年死す』と『風流夢たん』は想像した以上の美本。うれしい。ヤフオクで落札した天野喜孝の絵本『少女季』ももうすぐ届く。これらの本と戯れてあと2週間、じっと我慢の子になるしかあるまい・・・。

2002年5月17日

 今回の大阪旅行での収穫は「阪急古書の街」でのK古書店での詩集2冊のみだった。藤富保男第一詩集『コルクの皿』(自費出版)と富岡多恵子第一詩集『返礼』(山河出版社)の2冊のみ。『コルクの皿』はうれしいが『返礼』は一読したがよく解らない。しかしまあこんなものだろう。それより次の「ヤマ」は大江健三郎『政治少年死す』と深澤七郎『風流夢たん』だ。これらの本が「いわくつき」の本であることは読者の方々もご存知だろうから説明はしません。ただいろいろな「バージョン」があるそうなので、そこらが心配だ。あと宗谷真爾『影の神』超特装10部本も検討中。しかしこういった本って将来大丈夫なのかしらん。そこが心配・・・。

2002年5月5日(水)

 なんと臨時収入!!これで大阪行きも安泰だ。本日、辻井喬『不確かな朝』到着。ほぼ完全なコンディシオン。東京A古書店から、穂村弘第一歌集『シンジケート』(沖積舎)入荷との知らせも届く。『成田亨画集』も注文。ふふふ、運が向いてきたな、私よ。今一番の「ヤマ」は谷川雁第一詩集『大地の商人』だ。うむむ・・・買うべきか?買わざるべきか?悩む。

2002年5月1日(水)

 嗚呼・・・とうとう神保町に30冊程度送って売り払ってしまった。1万5千円ゲット。・・・しかしこうでもしなければマジで大阪旅行がやばかったのだ。しかたあるまい。ところで『成田亨画集』はしばらく見合わせることに決定。『神という機械への夢』と同じ轍を踏まなければいいのだが・・・辻井喬第一詩集『不確かな朝』(書肆ユリイカ)安すぎるのが心配。まさか再版ではなかろうが、見返し切り取りや蔵書印の可能性はある。・・・心配。総じて今は息を潜めて機が熟するのを待つのが正解というものだろう。

2002年4月22日(月) 

 なんと河野裕子第二歌集『ひるがお』(沖積舎)買ってしまった。小池光『廃駅』(沖積舎)も同様。これで訳1万円吹っ飛ぶ。なんだかもうヤケクソになってきた気がする。小島ゆかり『水陽炎』は品切れで入手ならず。残念・・・。西川徹郎句集『家族の肖像』(沖積舎)注文。これは恐らく当選するだろう。楽しみ。池谷仙克『怪獣幻図鑑』(朝日ソノラマ)も結局注文することとなってしまった。どうなるわけよ?自分?大阪旅行?え?

2002年4月17日(木) 

 岩佐なを『あかがねの独言』到着。とうとうこれで5万円吹っ飛んでしまった。ますます大阪旅行への危機感がつのる。マジでやばいぞ。自分よ・・・。もうゴールデン・ウイーク明けまで一冊も買われない。大丈夫なのか?
 山本太郎第二詩集『ゴリラ』(書肆ユリイカ)到着。状態は申し分ないが、内容が面白いんだか、そうでないんだか
良く解らない。ウ〜〜ム。それから明日にでも真鍋博の漫画本2冊そろそろ注文しなきゃやばいだろう。
 今一番の「ヤマ」は『野口竜の世界』だが今日、連絡が来なかった。心配・・・。

2002年4月12日(金)

 とうとう『魚のなかの時間』買ってしまった。2万円・・・痛い。『長い長い道』は良かったが、『花鳥』は良く解らない。どうしたものか?あと『あかがねの独言』で3万吹っ飛ぶ。大丈夫なのか?自分よ・・・?そろそろ5月の大阪旅行で買う本の検討をしなくてはならない。自分としては、車谷長吉『抜髪』(湯川書房)が欲しいのだが5万はいくらなんでも買えないだろう。奢覇都本ももう飽きてきたので、ピエール・アンジェリック『聖なる神』(限250)も買う気がしない。かといって詩集は最近食傷気味なので、高価なものは買う気がしない。なにをかったらいいのだろうか?迷っている。

2002年4月5日(金)

 『花絆』到着。一読したが面白さが良くわからない。しかしなんども読み返しているうちになんとなく面白くなってきたような気がする。出ない本にはそれなりの理由というものがあるのだ。明日、『長い長い道』と『花鳥』も到着。楽しみだ。『あかがねの独言』は明日、交渉する。恐らく送ってもらうことになるだろうが、3万もする本はやはり直接見てから買いたいものだ。田舎の不自由さを痛感する。いま一番の「ヤマ」は『魚のなかの時間』だが2万はキツイ。どうしたものか・・・?

2002年3月30日(土)

『天鼓』、『美少女きたん』共に到着。どちらも面白そうな本だ。今野寿美第一歌集『花絆』(大和書房)当選。約5年も探していたかいがあったというものだ。この調子で栗木京子『水惑星』も入手したい。ところで本日、井上俊夫『野にかかる虹』も到着。よく見る本だが安かったからいいだろう。しかしこれで『長い長い道』と『花鳥』を買うお金がなくなってしまった。やばい。そういえば中江俊夫『魚のなかの時間』が再浮上。これを逃すともうあとはないだろう。慎重かつ細心に入手すべし。そろそろ5月の大阪行きの資金調達にかからねばならぬのだが、『あかがねの独言』、『魚のなかの時間』で5万円吹っ飛んでしまう。どうしたものか?本当にこんなんで大阪に行けるのだろうか?不安になってきた。やばい・・・。

2002年3月23日(土)

 ここのところ私の古書蒐集が低迷している。今日もサーチエンジンで発見した『野口竜の世界』が「売り切れ」と言われ落ち込む。そのまま一日寝込んでしまった。しかし先日は一丸章『天鼓』(思潮社)を注文したし(この本、実は意外と出ないらしい)、昨日は某サイトで話題になった北村綴『美少女きたん』(創林社)を注文した。北原の本は全く予想がつかないだけに楽しみだ。スミス『魔術師の帝国』(創土社)も入手している。なんだ、ちっとも低迷していないではないか?自分よ。高野民雄第一詩集『長い長い道』を注文すべきかどうか迷う。しかしこの本はA書房の目録が来てからでも遅くないだろう。星野徹『花鳥』というダーク・フォースも控えている。ところで岩佐なを蔵書票集『あかがねの独言』(吾八プレス・限50)は「展示会」に出品中というからちょっと不安。限50ではこの機会をのがせばほぼ入手は絶望的だろう。かなり前から目をつけていた本なので、3万円でも即、「買い」だ。

2002年3月13日(水)

 3500円の『ブラックウッド傑作集』(創土社)は「帯背」が全く読めない状態、というのでキャンセル。7000円のこの本を買うべきかどうかおおいに迷っている。マンディアルグ『満潮』(奢覇都館・1500部限定・帯・付録付き)はほぼ完璧なコンデション。もっと喜びなさい。自分。ところで一丸章『天鼓』と郷原宏『執行猶予』どちらを先に買うべきか?おおいに迷っている。やはり一度も見たことのない『天鼓』か・・・?H氏賞ものにこだわるわけではないが、小松弘愛『狂泉物語』(混沌社)は一刻も入手したい。なぜさっぱりこの本は出てこないのだろうか?謎だ。岩佐なを『夢の環』(七月堂)先日届く。岩佐岩佐・・・と大騒ぎしたわりには、私にはこの人の詩の面白さがいまいち解らない。どうしたものか?

2002年3月6日(水)

 今回の東京遠征の成果はほとんど詩集ばかりだった。まず天沢対二郎第一詩集『道道』(舟唄叢書)を入手。これは「出やすい」そうなのであまりありがたみを感じないがまあここいらへんは詩集の「スタンダード」だから買っておかなくてはならないだろう。個人的には岩佐なを『蝉魔』(紫陽社)『姉の力』(限100・蔵書票入り・カタ工房)を入手できたことのほうがうれしい。明日『夢の環』と『離宮の海月』も届きそうだ。とすると岩佐の詩集は『能筆少女』のみか?・・・といってもこれを入手するのはかなり難しいだろう。中村稔『うばら抄』(思潮社・大型本)も入手したがあまり面白みを感じない。
 明日、『ブラックウッド傑作集』(創土社)を問い合わせるが、かなり「痛んでいる」そうなので心配。そういえば『満潮』(元版・奢覇都館)もすこし「ヤケ」があるそうなのでこれも心配だ。ううむ。
 そういえば『野口竜の世界』(朝日ソノラマ)なる本の存在を知った。これは欲しい。「怪獣画集」は成田亭のものが人気あるそうだが、ここらは競争激烈な世界だろう。あまり深入りしないほうが無難だ。

2002年2月12(火) 

 ヤフオク一勝二敗。まあ大伴昌冶『OH!SF映画』(朝日ソノラマ)を落札できただけで幸せと思わなくてはなるまい。今回敗退した『骨なし村』はキチガイじみた値段に競りあがっていた。あんなバカな競り合いにつきあうつもりはない。古本というものは機が熟すればおのずから入手できるものだ。あせらず待て。
 ところでC古書店から立原えりか『木馬が乗った白い船』(書肆ユリイカ・異装版)を手ごろな値段で入手。これはうれしい。こういう本はなかなか入手が難しいものだ。
 また粒来哲蔵『舌のある風景』(歴程社)を買約。粒来の詩集はあと『虚像』と『刑』か。難しくはあるまい。
 ところで『世界の詩とメルヘン』の売り手から連絡がこない。ちょっと心配・・・。 

2002年2月6日(水)

 ヤフオク敗退・・・なんと「十五秒前」に上乗せされたのだ。これでは打つ手はない。しかし『世界の詩とメルヘン』7冊と、佐藤有文『骨無し村』(カイガイ出版)の終了が迫っている。落ち込んでいる場合ではない。『世界の〜』はまず大丈夫だろうが、問題は『骨無し村』だ。いまのところ一人も入札者が入っていないから、このまま逃げ切りという場合もありだろうが、そう甘くはないと思う。やはり出せる範囲の金額を直前入札か?迷う。
 ところで北海道のG古書店からエーヴェルス『蜘蛛・ミイラの花嫁』(創土社)を注文した。ここいらへんは堅実に買っておかないと後で困る可能性がある。それに創土社本には早くケリをつけたい。もっともそのためには、ラヴクラフト『暗黒の秘儀』を買っておく必要があるわけだが。
 先日、E古書店から横溝正史『真珠郎』(角川書店・復刻版・非売品)届く。あまり面白みを感じないが「非売品」だから一応いいだろう。
 C古書店の『暗星のうた』1万5千円とちょっと高い気がする。明日、C古書店から目録届きそうだ。楽しみ。

2002年1月30日(水)

 東京D古書店とのいざこざの余韻も覚めやらぬうちに、また風雲急を告げる私の古書蒐集。なんとヤフオクの真鍋博漫画集3冊一括が二万円まで値下がりしたのだ。チャンス!と思う。二万円なら『食民地ニッポン』の重複もそう痛くはない。
 ところで上林昭夫『音楽に就いて』(日本未来派発行所)到着した。状態はマアマアだが内容にそれほど面白みを感じない。上林の詩集は『都市幻想』で打ち止めにしようと思う。その程度の詩人だろう。
 エヴァンズ『ナンセンスの博物誌』(毎日新聞社)はほぼ完璧なコンデション。ちゃんと黄色く細い帯も付いている。これは「掘り出し物」だ。もっと喜びなさい。自分。
 ところでE古書店からの小包は明日着くのだろうか?大丈夫とわかっていても心配な私。しっかりせい!。
 九州のF古書店が栗木京子『水惑星』(雁書館)と今野寿美『花絆』持っているらしい。この店は過去に実績があるだけにあなどれない。

2002年1月24日(木) 

 なんてこった・・・・・と思う。中江俊夫『魚のなかの時間』が先を越された。真鍋博『動物園』も同様。泣く。呪われたのかとも思う。しかしこうしているまにもライバルたちは続々いい古本を買いまくっているのだ。私も迅速に行動しなくてはならない。まずなじみのB古書店で真鍋博『食民地ニッポン』(昭森社)を確保。さらにC古書店で上林昭夫『音楽に就いて』(日本未来派発行所)を注文。さらにこれからC古書店に中江俊夫『暗星のうた』(的場書房)の予約を入れる予定。今日の教訓。二冊あって安い本より一冊しかない高い本を優先すべし。
 『世界の詩とメルヘン』三冊届いたが、あまりぱっとせず。全部完揃えすべきか迷う。

2002年1月21日(月)

今日、神奈川県のA書店から中江俊夫第一詩集『魚のなかの時間』の詳細が届いた。それによると『魚のなかの時間』の外装は、裸本で表紙が紅くコーティングされているという。これだけではなんとも「怪しい」。昭和20年代の本でカバーがついている本などめずらしくはない。しかし裸本完本という場合も十二分にありうるわけだ。ううむ。悩む。知り合いの古書店主もみんなわからないという。こうなればイチかバチかで買うしかあるまい。しかし2万円は大きい・・・どうしたらよいものか?先日も多田智満子第二詩集『闘技場』(書肆ユリイカ)と松永伍一第三詩集『くまそ唄』(ピポー叢書)を買ったばかりである。しかも支払いもまだ済んでいない。ここは虎視眈々と状況をみるのが正解というものであろう。

 

 

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