空想科学小説 ─    巨 人 族 の 逆 襲    by (あずま)  (ふゆ) (ひこ)

 

あらすじ

 

目  次

 

 

 地球とよく似た星     アンドロメダ星雲のなかに地球とよく似た星があり、その星の人類は、生存競争に日夜全精力を集中

 

させていた。

 

 人の和合唱        人口爆発から人類を救う案として、巨人族への移行が採択された。

 

 言語の選択(1)     巨人移行計画委員会が組織され、言語や記数法、  生活慣習上の決まり、法律や諸制度など定める

 

ために、分科委員会が組織された。

 

 言語の選択(2)     言語採択のための分科委員会では、〔真実を語る言葉〕〔真理を知る言葉〕〔創造力をはぐくむ言葉〕

 

を選ぶことで合意された。

 

 言語の選択(3)     検討分科委員会は最終の決定として、この地球上で英語と呼ばれている言語に相当する言語を採択した。

 

 新8進法の採用      記数法は、新たに考え出された「新8進法」が採択された。

 

 生活様式の選択      家庭での日常の生活様式は、椅子式、寝具はベッド方式が選ばれ、食卓では、ナイフとフォークを使

 

うことに決められた。

 

 諸制度の採択       老後の年金については、性別の差異なく、就労年数の多い少ないの別なく、退職時の俸給高とは無関

 

係に、一律同額受給年金制度とした。

 

 初めての巨人       巨人族が必要とする穀物、野菜、果実などの種子も、彼らの食欲を充分に満たすことができるように、

 

最先端の遺伝子工学技術を駆使して、大きなものが作られた。

 

第10章 巨人族への条件      巨人族を希望する者の条件は、年齢は25歳で、大脳が健康であることの2つだけであった。

 

 

第11章 応募者          第1回目の募集には、はじめての試みのせいか応募者は少なく、2万200人の募集に対し男性が1

 

万8千人、女性が7千500人であった。

 

第12章 街の形成         施術スタッフ関係者だけでもおおよそ5万人をこえる人数が住むことになり、突如として大きな街が

 

形成された。

 

第13章 巨人の大脳        巨人族の身体は、従来人の身体が成長ホルモンによって巨大化され、計100人の大脳が、母体とな

 

る1人の頭蓋のなかに、その者の大脳といっしょに収まることになる。

 

第14章 巨人の誕生(1)     オクタゴンG1棟2階の8番1号施術室で、35歳の脳外科医の握るレーザーメスが、あざやかな半

 

円を描いて黒い頭皮の上を走った。

 

第15章 巨人の誕生(2)     8番1号施術室チームの作業は早いほうで、ナビゲーターが基幹体への移殖スタンバイ完了を報告し

 

たとき、G1棟では11番目だった。

 

第16章 大脳の合体        今や101人の大脳は、神経回路という結線で、右利きも左利きも関係なく、一様に並列の電気配線

 

みたいに繋がれることになる。

 

第17章 成功           最初の巨人たちの移行施術がおわり、ちっぽけな体に巨大な頭をもった奇怪な50人の“人間”が、

 

50棟のオクタゴンに1人ずつ誕生した。

 

第18章 オクタゴンの休暇     施術スタッフたちは思い思いの休暇をすごすことになり、代わって、活気あふれるこの希望の街に、

 

訓練チームがはいってきた。街はまた、たくさんの住人が一挙にふえることになった。

 

第19章 さまざまな電子ボード   さまざまな電子板=電子ボード類、さらに進んだ画期的な新式技術が出てきて、書いたり読んだりに

 

使う紙というものは世の中から急速に駆逐されてしまった。

 

第20章 成長           成長した彼らの声帯や気管が、巨大な彼らの身体にふさわしい大きさになったとき、それは大音響を

 

発する装置に変貌しているかもしれない。

 

 

第21章 勇者のふるさと      髑髏を煮る準備にとりかかろうとしていた正午ごろ、病の床に伏しているはずである第一夫人の悪霊

 

祓いのための祈祷師が到着した。

 

第22章 大陸の裂け目       この星の中心部では、恒星ほど高温ではない比較的低温の核融合が行われており、核融合によって生

 

成された炭素は水素と化学反応をおこし、天然ガスとなって地殻にたくわえられたり、高圧の海底に

 

メタンハイドレートとしてたくわえられたりすることになる。

 

 

第23章 休暇           8員環マークはこの街の市標であり、名物となったオクタゴンを意味する印なのでもある。

 

第24章 帰省           ナオの国では、四六時中はたらいている忙しさは美徳とされ、まるで無償奉仕でもするように公私を

 

区別せずにはたらき、長期休暇をとるなどは夢のまた夢なのであった。

 

第25章 国語改革の行方      幾種類もの表記様式が混在するまことに奇態にして混沌たる言語となったのは、近代にいたるまでの

 

長いあいだ、国策による言語統制というものが行なわれなかったことが第一の原因なのであった。

 

第26章 勇者の葬送(1)     頃あいをみはからって第一夫人は、死者のでたことを伝える太鼓を打ってくれるようにと合図をした。

 

第27章 勇者の葬送(2)     3本の角をはやし鳥の羽でかざられた仮面の踊り手がちかづいてきて、第一夫人になにやら耳うちで

 

もするようなしぐさをした。

 

第28章 訓練           身分の平等、男女平等、個人の存在の尊重と組織・集団との調和のとれた社会システム、それらを保

 

証してくれる言語が「選ばれた新言語」であった。

 

第29章 小顔講話(1)      「脳全体が合理的な段階をふんだ発達のしかたをするには、言語の影響がたいへん大きい」

 

第30章 小顔講話(2)      「暗記言語を用いつづけていると、ビジネスでも日常生活でも、頭脳による推理力よりも文字ばかり

 

に頼る事態に陥るのです」

 

 

第31章 憩いの時間        スタッフが話しこんでいる最中、「訪ねてきている人がいるので、いますぐそちらに案内したい」と、

 

守衛室から電話連絡がはいった。

 

第32章 馬と犬は忠実な僕     「馬の祖先は5千万年ほどまえ、狐ぐらいの大きさだったらしい。それが、ごく近年の8千年ほどま

 

えに、原産地では絶滅した。気象の変化もあったが、東アジアから北極圏をとおって移動してきた民

 

族が、全部食べつくしてしまったのが原因のようだ」

 

第33章 ものは考えよう      実験動物としての犬の扱いなどはどうかとも思うのだが、犬は人間には忠実であるべきことが前提と

 

なって飼われている。

 

第34章 リーダーシップ講話 (1)  自分の所属する群を、道順を間違えずによりよい方向に導き、安全を守る。リーダーには、そういっ

 

た資格がそなわっていなければならない。

 

第35章 リーダーシップ講話 (2)  おしなべてリーダーとは、支配欲に燃える権力亡者なのだ。

 

第36章 遅れだした心肺リズム   巨人たちは身体が大きくなるにつれて、ほんの少しずつだが、心拍と呼吸の回数が遅れだした。

 

第37章 巨体は長生き?      「仮に120歳まで生きることが確実だと推測されても、50歳が理想的な定年の歳だと思う」

 

第38章 進む国語改革(1)    柳句が俳句道をさしおいて学校教育にとり入れられた最大の理由は、その口語調にあるのであった。

 

第39章 進む国語改革(2)    四方を海に囲まれて育まれる民族性と、漢字がもつ放散性とは、相乗効果をあげているようなものだ。

 

第40章 言葉は生きもの(1)   ナオの国には、社会生活のほとんどにわたって住み分けの習慣があった。さまざまな異なる分野で、

 

その異なる分野に意見や批評を申しでるなどとは、礼儀をわきまえない越権行為とされるのであった。

 

いわゆる部外者からの“口出し”“手出し”は、タブーなのであった。

 

 

第41章 言葉は生きもの(2)   「俳句」はすでに国よって重要無形文化財に指定され、《俳句道》とよばれるようになっていた。

 

第42章 言葉は生きもの(3)   漢字が同音意義の熟語を際限もなくつくりだし、記憶力をみがく方向に脳機能をみちびいてきたし、

 

一方、いたずらに種類の多い文字表記様式は、その煩雑さによって、やはり記憶力をみがく方向に脳

 

機能をみちびいてきたのであった。

 

第43章 内戦の場へ        右足の膝から下が地雷で吹っ飛び、おびただしい血がながれ、苦痛に歪んだままの顔で、意識を失っ

 

てしまったのだった。

 

第44章 仇討ち(工事中     手術の結果は、4、50年ほど前にはとてもかんがえられなかった医療技術の格段の進歩に助けられ、

 

彼女の若さによる細胞再生力にもささえられて、成功裡におわったのであった。

 

第45章 街の成熟         

 

第46章 ・・・工事中)     

 

 

 

     Home Page