デカレンジャー・最終回の夜

 

(ハムちゃま・作)

 

 

 長かったアリエナイザーとの戦いも終わった。レイン星人エージェント・アブレラとの最終決戦を終えたデカレンジャーのメンバーは今、デカベースの宴会室で「打ち上げパーティ」に夢中である。今夜は無礼講ということもありデカレンジャーのメンバーは乗りに乗っている。

 最高潮に調子に乗ったバンの声が宴会場にコダマする。「をを!豪華な料理!!さらにお酒!!カラオケマシンまでありまーす!!みなさん!今夜はこころゆくまでば〜〜〜〜〜〜〜んといきましょ!!ば〜〜〜〜〜〜〜〜〜んとね!!」浮かれまくっているバンに、じゃすみんが突っ込む。「バン!!アタシの台詞パクらないでよ!!」
 「相変わらずだな。」いつもクールなホージーが呟く。しかし本日のホージーにはいつものクールさがない。ホージーもまたアリエナイザー撲滅にリラックスしているようだ。

 白鳥スワンが叫ぶ。「わたしどっぎーとけっこんしま〜〜〜〜〜〜〜〜す!!」「おい・・・スワン・・それを言うのはまだ早い・・・」ドギー・クルーガーがあわててスワンを抑える。
 バンが驚いたようだ。「ええ!!スワンさん!?人間が犬と結婚して・・・(ポカッ)」
 ホージー「ボス、おめでとうございます!(ニヤッ)」
 ウメコ「ほ〜〜〜〜んとおめでたいわ〜ボスの子供ってどんな子かしら?」

 次々に入るデカレンのメンバーのツッコミにさすがのドギー・クルーガーも照れまくっている。
 ドギー「う・・う・・・(恥)」

 せんちゃんがボスをフォローする。「みんな、ボスをいじめちゃだめだよ!」せんちゃんは浮かれまくっているデカレンのメンバーでなぜか一人だけ妙に冷静である。もしかしたらせんちゃんは物凄く酒に強い体質であるのかもしれない。
 バンがすかさずツッコミを入れる。「せんちゃんはウメコとラブラブだからねーーー」
 「もう止めようよ。『ジェットマン』じゃないんだからこんなネルトンみたいなこと・・・」せんちゃんが下を向いて呟く。

 ひとりでウイスキーをごくごく飲んでいたじゃすみんがいきなりバンに絡みだした。「そーいえば。バンとホージーは、一年間仲が良かったよね〜。これって友情?愛情?どっちなの?ええー??答えなさい!!」
 バン「もちろん愛情だよな〜相棒!!」
 ホージー「相棒って言う・・・いや今夜だけは言ってもいいかも・・・」
 文字通り梅酒を飲んでいたウメコが黄色い声で叫ぶ。「きゃー!!これってもしかして『やおい』!?」。それに対して、あいかわらずマイペースな口調でじゃすみんが呟く。「こんどの同人誌のネタにしよっと。」

 「あーじゃすみんさんって実は『おたく』だったんだ〜」せんちゃんが上をむいた。「なによおー!セン!!」じゃすみんが今度はせんちゃんに絡みだす。





 夜も12時を過ぎた頃、さすがのデカレンのメンバーもアルコールは打ち止めにしてウーロン茶を注文しだした。ホージーが呟く。「もう12時か。ところでテツはどこいったんだ?」
 ドギー・クルーガーが今までとは打ってかわった冷静な口調で答える。「そういえばテツの姿がないな。」

 

 その時、宴会場の障子がガラリと開いた。見るとテツとマーフィーがなぜか並んで立っている。
 テツが低く呟く。「ボクはここです・・・」

 一同が声を合わせる「あああーーーーーーーーーー!!!」
 「ボク、誰からも忘れられてるようですからマーフィーと結婚することにしました。」テツが恥ずかしそうに告白した。

 一同「人間とロボットが結婚!!」
 据わった眼でじゃすみんが呟いた。「違いがわかる男はこうでなくちゃね〜」
 ウメコがはしゃぐ。「テツ、マーフィーと幸せになってね!」

 バンがまとめた。「テツはやっぱりテツ同士が一番だな〜〜〜。」



 というわけで。
「打ち上げの夜」も更けてゆく。




一方、となりの部屋では。

 魔法戦隊マジレンジャー「楽しそうだな〜でカレンのやつら。今度は一年間間俺たちが、日曜朝の地球の平和を守らねばならないのか・・・せっかくの日曜日だからゆっくり寝ていたいのに・・・」




 ナレーター「ありがとうデカレンジャー!!そしてようこそマジレンジャー!!



 そんな時、デカベースの一番奥の部屋でひとりの老人が呟いた。「このようにして世代は変わり、新たなヒーローは生まれゆくのじゃ」

 子供「おじいさん、誰?」
 「八手三郎じゃ。といっても最近の若い者はわしをしらんかもしれんがの。」
 

 
 子供「??」

 

 

 

 

ハムちゃま&黒猫館館長&黒猫館

(2006年10月13日)