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この部屋では戦後を代表する詩誌に加わっていないが、個人としては有名な詩人の詩書を紹介する。

 

◆その他のグループに属する詩書◆

NEWミノ あたしの雄牛 高橋睦郎
虚像 粒来哲三

 

 

粒来哲蔵

1928年福島県生まれ。「地球」「歴程」等に所属。幻想味豊かな散文詩を書く。H氏賞受賞詩人。 

 

『虚像』

第一詩集。地球社発行。カバー・函完本。初版1956年6月10日。極めて出にくいが根気よく探せば入手の可能性はある。ただし函欠本が多いので要注意。カバーのみで完本と勘違いしている愚かな古書店主もいる。古書価は5000円〜15000円と幅があるので、安く入手することも可能。

  

 『舌のある風景』 

第二詩集。歴程社発行。カバー・函完本。初版1960年9月1日。入手難易度は中程度。根気で探してください。この本も函欠本が多い。古書価は安い。室生犀星賞受賞。

 

 『孤島記』 

第四詩集。八坂書房発行。函完本。初版1971年9月30日。限定500部。出やすい。3ヶ月程度の探求で入手可能。粒来の詩の入門書としては最適の本だろう。古書価は6000円〜10000円程度。H氏賞受賞。 

 

 

 

 

高橋睦郎

 1937年福岡県生まれ。ホモ・セクシャルを題材とする詩人として出発したが、その後序序に守備範囲を拡大。幻想風の詩、神話風の詩、サド・マゾヒズムに関わる詩など広範囲の詩を書く。最近は短歌・俳句も書く。著書は100冊を越えると思われる。一般的にも有名。 

 

『薔薇の木・にせの恋人たち』 

第二詩集。この本を第一詩集と思っている人もいるようだが、正確には第二詩集。第一詩集は『ミノ・あたしの雄牛』である。現代詩工房発行。裸本完本。初版1964年9月1日。跋文谷川俊太郎。写真沢渡朔。でやすい。といってもタイミングを逃すと意外と入手をてこずる可能性もあるだろう。古書価は10000円〜15000円。それほど高くつける店はすくないので初心者にも薦められる詩集といえよう。  

 

『眠りと犯しと落下と』

第三詩集。草月アートセンター発行。裸本帯付き完本。初版1965年6月1日。跋文三島由紀夫。装丁横尾忠則。この本ははっきり言ってかなり入手が難しい。2〜3年の探求でもみつからない可能性がある。しかしそれ以上に難しいのは本書の帯である。完本を求めようとするには覚悟してください。てこづります。帯文は三島由紀夫。三島ファンならこだわりたいところだろうが、それ以外の人は帯にこだわらないほうが無難。古書価は8000円程度。 

 

『汚れたる者はさらに汚れたることをなせ』

第四詩集。思潮社発行。函完本。初版1966年12月1日。跋文澁澤龍彦。意外と出やすい。目録にもよく掲載される。澁澤が跋文を書いているというだけで人気がでたこともある。古書価は5000円程度。

  

 

(黒猫館&黒猫館館長)