闇第三章

 

おまえよ。

わたしの姿を見たがっているおまえよ。

わたしの姿を見たいのならばまず「人間」を捨てよ。

そうしなければおまえはわたしを見ることはできない。



「わたしは悪魔ではない。
 わたしは死神でもない。
 わたしは妖怪でもない。
 わたしは幽霊でもない。

 ただ闇。
 果てしない闇。
怒り、憎しみ、そして、悲嘆の死者。」


かってそんなことを言っていた老爺がいたな。

それにわたしはこうつけくわえよう。

「わたしはもう悲嘆さえ捨てた。
 0(ヌル)から来た使者。
そして『虚無』への案内人。」

とな。