『東京クーデター』

 

   

 

北上伸治著。近代社発行。初版昭和48年11月10日。カバ完本。

 本書は全共闘世代のベストセラー。当時の若者たちは皆この本を読んで本当にクーデターを起こそうとしたそうである。なんとも若者らしい微笑ましさに溢れた一冊ではないか?
 さて本書はクーデターの基本概念・東京クーデターのシュミレーション小説、付録の3部構成からなる。クーデターの基本概念については類書が多いので、やはりこの本の圧巻は『小説』であろう。
 尚、付録では東京クーデターの唄、新日本国憲法の草案、読者への「政治参加要請書」も付されており、総じて読者サービスにも長けた一冊となっている。昔を懐かしんでみたいひと、青少年の諸君には一種のSFとして本書をお薦めする。